クラウドSIMの仕組みを分かりやすく解説！メリット・デメリットも紹介

「クラウドSIMって何？どんな仕組みなの？」
「クラウドSIMにはどんなメリット・デメリットがあるの？」

このような疑問をお持ちの人のために、この記事ではクラウドSIMの仕組みについて分かりやすく解説します。

WiMAXや光回線と比較したうえでメリットやデメリットも説明しているので、どれが自分にピッタリ合っているか参考にしてくださいね。

話題の「どんなときもWiFi」もクラウドSIMなんだよ。

僕的にはクラウドSIMとWiMAXがどう違うのか気になってます！

クラウドSIMの仕組み

クラウドSIMとは、クラウドサーバー上に保管されたSIM情報を必要に応じてルーター端末にダウンロードして通信する技術のことです。

クラウドSIMは日本国内だと、ドコモ/au/ソフトバンクの3大キャリア回線に対応しています。ルーター端末が位置情報をクラウドサーバーに送信すると、その場所で最適なSIM情報が端末に返ってきます。

そのため、いつでもどこでも快適にインターネットが楽しめるわけです。このクラウドSIMテクノロジーを用いたモバイルWiFiのことを“クラウドWiFi”ともいいます。

どんなときもWiFiやMugen WiFiなどがよく知られていますね。

クラウドSIMはWiMAXとは違う

クラウドSIMもWiMAX（ワイマックス）もポケットWiFiのカテゴリーに分類されます。

ただし使用回線が異なり、WiMAXはUQコミュニケーションズが所有するWiMAX回線を使用する一方で、クラウドSIMはキャリアのLTE回線を使用します。

それぞれの詳しい違いは記事の半ばで解説しているよ。

クラウドSIMと従来のSIMとの違い

特定のキャリア回線しか使えない従来のプラスチックSIMカード挿入型端末に比べて、クラウドSIM対応端末は複数のキャリア回線を使用できます。

国内のキャリアだけにとどまらず、ルーター端末を海外に持って行くとその国のキャリア回線も使えます。

分かりやすく例えてみましょう。従来のSIMカードを使った端末はファミコンに似ています。挿しているカセットのゲームのみ遊べるように、端末に挿入されているSIMカードの回線のみ使えます。

それに対してクラウドSIM端末は、ネットからゲームをダウンロードすれば本体ひとつで遊べるプレイステーションに似ています。クラウドSIMもルーター端末ひとつで複数の回線を利用することができるんです。

僕はスマホに格安SIMを挿してテザリングを使ってますけど？

格安SIMも3大キャリアのうちどれか特定の回線を利用してるんだよ。

クラウドSIMとeSIMの違い

eSIMとは、端末内に組み込まれたチップにソフトウェアを書き込むことで通信が可能になる技術のこと。SIMカードを抜き差しすることなくインターネット利用が可能です。

ただし、ルーターの現在地において最適なLTE回線に自動接続するクラウドSIMに対して、eSIMは自分でeSIM対応通信事業者のプランに申し込む必要があります。

eSIMを採用しているのは主に、iPhone XSやXRなどの最新Appleスマホです。

eSIMプランを提供するのはほとんどが海外の通信事業者なんだ。

英語が苦手な僕はクラウドSIMのほうが安心かも・・・

クラウドSIMの3大特長

クラウドSIMの主な特長を3つ紹介します。

①速度制限がなくネット使い放題

クラウドSIMは速度制限がなく、1日10GB程度のデータ通信をしたとしても問題ありません。4K動画を再生したり大容量オンラインゲームで一日中遊んだりしても、通信制限を気にしなくていいのは助かりますね。

ただし、常識外れの通信をするとこの限りではありません。クラウドWiFi各社の公式ページには次のような一文があります。

具体的にどれくらいの通信量がネットワーク占有レベルになるのか明言されていませんが、1日に数十GBレベルの通信は制限対象になる可能性があるので気を付けましょう。

②3大キャリア回線に対応

上でも解説したとおり、クラウドSIMは複数のキャリア回線に対応しており、ルーターの位置における最適なLTE回線に自動接続します。

LTEはスマホで使われている回線と同じなので、スマホの通信が使える所ならクラウドSIMも使えるということ。

スマホでインターネットを使えているのなら、クラウドSIM申込みにあたって「自分の住所で本当に使えるのかな？」と心配する必要はありません。

③海外でもそのまま使える

クラウドSIMは提供会社によって対応国数が多少異なるものの、大体130ヵ国において同じルーター端末がそのまま使えます。

使い方は、対象国に行って電源をONにするだけ。日本国内と同じように、現地での最適な回線に自動接続されます。

気になる利用料金ですが、パケットごとの課金ではなく利用日数ごとの料金となります。基本的には1日1GBまで高速通信が使え、その後は384Kbpsに速度が落ちるものの引き続き通信可能です。

一昔前でいう“パケ死”にはならないので安心ですよ。

海外でデータローミングしたらとんでもない請求額になるんでしょ！？

クラウドSIMはデータローミングじゃなくて定額制だから安心だよ。

比較－クラウドSIM vs WiMAX

同じポケットWiFiカテゴリーに位置づけられるクラウドWiFiとWiMAXですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか？どちらするか迷っているなら、下記の比較表を参考にしてみてください。

クラウドSIMのメリット

クラウドSIMがWiMAXよりも優れているメリットは次の5つです。

①電波がWiMAXよりも入りやすい

クラウドSIMはスマホと同じ4G LTE回線なので、室内や地下鉄でも電波が強力に入ります。これは4G LTEの電波が障害物に強い特性があるため。

それに対してWiMAXの電波は障害物に弱いので、コンクリートの建物の室内などでは電波が届きにくくなってしまいます。

②速度制限がない

WiMAXはギガ放題プランだとしても3日で10GBを超えると速度制限がありますが、クラウドSIMには速度制限がありません。

一日中高画質で映画を視聴しても、オンラインゲームをぶっ続けで遊んでも速度制限される心配は不要です。

僕にはこれが一番魅力的だなぁ。休日はNetflixざんまいできるし！

③月額料金がWiMAXより多少安い

クラウドWiFiは最安のサービスなら月額3,280円～とWiMAXよりも安め。毎月の通信料金を少しでも抑えたいのなら、クラウドSIMは良い選択といえるでしょう。

④契約期間がWiMAXより短い

WiMAXだと基本的に3年契約プランになりますが、クラウドWiFiはほとんどが2年契約です。契約に縛られたくない人は、縛り期間が短いクラウドWiFiのほうがおすすめですよ。

⑤海外でもネットが使える

クラウドSIMのルーターを海外に持って行くと、手続きは一切不要で現地のネットに接続できます。対応する国は130以上で、日本人が主に渡航する国々はほとんどカバーしています。

WiMAXルーターは日本国内しか使えないので、海外出張や海外旅行をよくする人はクラウドSIMが向いています。

クラウドSIMのデメリット

次にクラウドSIMのデメリットも見てみましょう。

①通信速度がWiMAXより遅い

クラウドSIMの最大通信速度は150Mbpsで、WiMAXの1/3程度の速さとなっています。

実際に出る平均速度はというと、クラウドSIMは20Mbpsを超えています。20Mbps以上は違いを体感できないとされているので、WiMAXと大差ないといえるでしょう。

20Mbpsも出ていれば4K動画でも再生可能なんだよ。

じゃあクラウドSIMでも全然問題ないですね！

②同時に接続できる端末数が少ない

クラウドSIMは同時接続台数が最大5台までと、WiMAXに比べてかなり少なくなっています。

たとえばパソコン・スマホ・タブレットで3台、それに加えてAlexaスピーカーとプリンターを接続するとそれだけでフル接続になってしまいます。

1人で使用するならいいですが、2人以上なら不便かもしれません。

③ホームルーターがない

クラウドSIMのルーターはすべてモバイル端末で、据え置きタイプのホームルーターがありません。

それに対してWiMAXにはホームルーターがあり、固定回線の代わりとしても使いやすくなっています。クラウドWiFiは外出時での使用がメインととらえましょう。

どっちがおすすめ？クラウドSIMとWiMAX

通信速度を取るか、電波の入りを取るか・・・悩みどころだなぁ。

新卒くんみたいに一人で使うんだったらクラウドSIMのほうがいいかもね。

比較－クラウドSIM vs 光回線

今度は、クラウドSIMと光回線を比較してみます。無線と固定回線で特徴がかなり異なるので、自分はどちらが向いているのか確認してくださいね。

クラウドSIMのメリット

クラウドSIMが光回線よりも優れているメリットは次の3つです。

①外出先でもネットが使える

クラウドWiFiルーターを持ち運べば、どこにいてもインターネット接続できます。

光回線は家の中でしか接続できないので、場所を選ばず高速インターネットをしたいのならクラウドWiFiがおすすめです。

②月額料金が安い

クラウドWiFiの月額料金は安いところで3,280円ですが、光回線だと集合住宅の最安料金が約3,600円、戸建てだと約4,800円です。

コストパフォーマンスを優先させるのならクラウドWiFiのほうが魅力的といえます。

③回線工事が不要

光回線は最初に回線工事が必要で、ネットが使えるまでに1～2ヵ月かかるうえ、工事費も発生する場合があります。

しかしクラウドWiFiは、モバイルルーターが届いたその日からインターネットを楽しめます。もちろん工事費もかからず、ルーターも無料レンタルの場合がほとんどです。

ただしクラウドSIMは人気だから出荷が遅れることもあるよ。前もって確認しておこう。

クラウドSIMのデメリット

クラウドSIMには光回線と比べてデメリットも3つあります。

①通信速度は光回線よりも劣る

クラウドSIMの最大速度150Mbpsに対して、光回線はフレッツ光系で1Gbpsと大きな差があります。実際に出る実効速度も光回線なら数百Mbpsなので、通信速度では勝てません。

②同時接続台数は圧倒的に少ない

クラウドSIMは5台までしか同時接続できませんが、光回線なら60台以上と圧倒的。自宅で家族みんながインターネットを使うのであれば光回線のほうがいいでしょう。

③光回線のように特典や割引がない

光回線ではよく見る申し込み特典や割引がクラウドSIMにはあまりありません。そもそもクラウドSIMは月額料金が安く、工事費用もルーターレンタル代もないので当然ともいえます。

逆にいえばクラウドSIMのサービスはシンプルだから分かりやすいってことですよね。

その通り。複雑な特典や条件がないから比較もしやすいんだ。

どっちがおすすめ？クラウドSIMと光回線

クラウドSIMはどこで申し込める？

クラウドSIMは国内では2019年3月に「どんなときもWiFi」が登場し、それ以降次々と企業が参入してきました。下記に主なクラウドWiFiサービスを紹介します。

月額料金はどこも似たり寄ったりですが、その他にチェックするべきことがあります。

それに加えてユーザーの口コミも参考にするとバッチリでしょう。各サービスを具体的に解説する記事もあるので、参考にしてみてくださいね。

名前がなんか似たり寄ったりで見分けが付きにくいんですよね(^^;)

たしかに(笑)でも中身は微妙に違うからしっかり比較することをおすすめするよ。